2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体結晶で見られるガス吸着誘起相転移挙動の構造化学的研究
Project/Area Number |
18750051
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高見澤 聡 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 準教授 (90336587)
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Keywords | 結晶構造 / 金属錯体 / 多孔質固体 / ガス吸着 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が独自に見出しているガス吸着誘起相転移挙動を示す多孔質単結晶を用い、本物質でのガス包接固体生成機構を明らかにすることを目的としている。特に単結晶X線構造解析による原子配列の厳密解析を主軸としたミクロスコピックアプローチと、ガス吸着・熱測定・顕微鏡観察によるバルク挙動解析によるマクロスコピックアプローチによって、ミクロ構造とマクロ挙動の双方の総体的解釈を目指す。厳密かつ吸着可逆性などの理想性を有する材料を用いることで、ガスクラスレート固体に広く適応できる一般性の高い現象理解への到達を究極の目標としている。 平成18年度は、現在得られている単結晶ガス吸着剤を用いて、水素・酸素・メタン・アルコール・水・ヘキサン・ベンゼン等の吸着構造をCCD単結晶X線構造解析によって決定を試みた。その結果、アルコールをゲストとして用いた場合、鎖長依存性が明らかになり、細孔中でのゲスト会合構造に変化が見られた。さらに、新しい試みとして反応性の高い腐食性ガスとして知られるNOxおよびSOxについても吸着状態の決定に成功し、NO, NO_2,SO_2それぞれに特徴的な会合構造の決定に成功した。非常に狭い結晶内空間に置いて、これらの吸着ゲストの分子構造はよく知られているバルクの構造と同じであるが、凝集構造および会合構造は大きく異なっていることが明らかになった。
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Research Products
(13 results)