2006 Fiscal Year Annual Research Report
三次元化合物の精密合成とこれを配位子とした一次元ポリマー金属錯体の創製と機能開拓
Project/Area Number |
18750054
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
富永 昌英 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (60361507)
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Keywords | 有機化学 / 超分子化学 / ナノ構造 / 錯体化学 / 三次元構造 / 芳香族第三級アミド / 自己集合 / 一次元ポリマー |
Research Abstract |
本研究は、精密設計されたパネル状の有機分子をカップリング反応により連結し、共有結合性の三次元中空構造を高効率で合成する。これを配位子として希土類金属イオンとの自己組織化により、内部空間を有する新規な一次元ポリマー金属錯体を構築し、単純な配位子からの一次元ポリマー金属錯体にみられない特異な機能・物性を開拓することを目的としている。申請者が所属する研究室で独自に見出したアミド結合の立体化学とそのカップリング試薬を用いて、多様な三次元化合物を効率よく合成することができる。実際に、本研究者は二種類の単純なユニットのアミドカップリングから、2.0nmサイズの三次元ヘリカル構造を50%の収率で合成した。また、この三次元化合物と希土類金属イオンから、新しいタイプの一次元ヘリカル金属錯体へと自己組織化するが明らかになった。 本年度は、芳香族トリカルボン酸とN,N'-ジメチル-1,3-フェニレンジアミンから、収率72%で新規なディスコティック型の新規ヘリケートを合成した。この結晶構造は、6つのアミド基はすべてシス配向であることが分かった。また、各々のフェニル基において芳香環-芳香環相互作用およびπ-π相互作用によりらせん構造へと誘導していることが示唆された。一方、芳香族トリカルボン酸とN,N'-ジメチル-1,4-フェニレンジアミンの組み合わせからでは、ヘリケートの収率は20%であった。先ほどのヘリケートと比べてCH-π相互作用の寄与が小さいために、低収率となったと思われる。以上のように芳香族第三級アミドの立体化学とCH-π相互作用により、サイズや形状の異なる二種類の三次元らせん構造を高効率で構築することに成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Spontaneous Resolution of Aromatic Sulfonamides : Effective Screening Method and Discrimination of Absolute Structure2006
Author(s)
Takako Kato, Iwao Okamoto, Aya Tanatani, Terutaka Hatano, Masanobu Uchiyama, Hiroyuki Kagechika, Hyuma Masu, Kosuke Katagiri, Masahide Tominaga, Kentaro Yamaguchi, Isao Azumaya
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Journal Title
Org. Lett. 8・22
Pages: 5017-5027
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