2007 Fiscal Year Annual Research Report
三次元化合物の精密合成とこれを配位子とした一次元ポリマー金属錯体の創製と機能開拓
Project/Area Number |
18750054
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
富永 昌英 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 講師 (60361507)
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Keywords | 有機化学 / 超分子化学 / ナノ構造 / 錯体化学 / 三次元構造 / 芳香族第三級アミド / 自己集合 / 一次元ポリマー |
Research Abstract |
本研究は、精密に設計されたパネル状有機分子をアミドカップリングにより連結し、共有結合性の三次元中空構造を高効率で合成することを目的としている。これを基本ユニットとして希土類金属イオンとの自己集合により、内部空間を有する一次元ポリマー金属錯体を構築し、特異な機能・物性を開拓することを目指した。昨年度までに、2.0 nmサイズの三次元ヘリカル構造やディスコテイック型ヘリゲートの高効率合成に成功した。また、これらの三次元化合物と希土類金属イオンから、新しいタイプの一次元ヘリカル金属錯体へと自己集合することが分かった。 本年度は、芳香族ジアミンと3種類の0, m, p-フェニレンジカルボン酸から、二重ヘリカル構造や大環状構造が高収率で得られることが分かった。これらの結晶構造は、4つのアミド基はすべてシス配向であることが分かった。また、らせん構造では各々のフェニル基においてCH-π相互作用が観測された。 また、上記の知見を基にアミド骨格を有する環状化合物を合成し、これをプラットホームにしてビフェニル基が著しく歪んだおわん型の環状構造を合成できることを見出した。N,N'-ジメチル-1,3-フェニレンジアミンと5-ヨードイソフタル酸の縮合反応により、2つのヨウ素基が対面に配置された環状四量体を合成し、ヨウ素基の分子内カップリング反応から新規な環状化合物を得た。X線結晶構造解析により、2つのフェニル基を連結したビフェニル部位のフェニル環同士の二面角(hinge angle)は50°であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)