2006 Fiscal Year Annual Research Report
レニウム触媒による炭素-水素結合を足がかりとする新規へテロ環構築法の開発
Project/Area Number |
18750088
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
國信 洋一郎 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (40372685)
|
Keywords | 炭素-水素結合活性化 / レニウム / ヘテロ環 / ヘテロ芳香環 / 環化反応 / 挿入 / 結合活性化 / 触媒反応 |
Research Abstract |
レニウム触媒[ReBr(CO)_3(thf)]_2およびp-アニシジン触媒存在下、芳香族ケトンとα,β-不飽和カルボニル化合物との反応により、芳香族ケトンのオルト位炭素-水素結合の活性化、炭素-レニウム結合へのα,β-不飽和カルボニル化合物の挿入および分子内での求核的環化反応により、インデン誘導体が定量的に得られることを見いだした(Angew.Chem.Int.Ed.2006,45,2766.)。ルテニウム触媒によるアリールアセチレンのヒドロアミノ化、およびレニウム触媒による上記化学変換反応を組み合わせることにより、インデン誘導体が高収率で生成した(Org.Lett.2006,8,2891.)。レニウム触媒により、従来困難だった分極した不飽和分子であるアルデヒドも炭素-水素結合に挿入し、引き続く環化反応によりヘテロ環化合物であるイソベンゾフラン誘導体が生成することも分かった(J.Am.Chem.Soc.2006,128,12376.)。レニウム触媒により、トリメチルシリルアセチレンのsp炭素-水素結合へのアルジミンの挿入反応により、プロパルギルアミンが定量的に生成した(Chem.Lett.2006,35,1376.)。上記レニウム触媒は、炭素-水素結合活性化を経由する化学変換以外にも、いくつかの反応を触媒することを明らかにした。レニウムおよびイソシアニド触媒により、環状β-ケトエステルの炭素-炭素結合へ末端アセチレンの挿入反応が進行し、通常合成が困難な中員環化合物が定量的に得られた(J.Am.Chem.Soc.2006,128,11368.)。また、レニウム触媒により、ベンジルアルコールやプロパルギルアルコールとアリルシランやプロパルギルシランとのカップリング反応が進行することや、レニウムと金触媒を同時に用いることにより、アルデヒドとシリルアセチレン2分子からジエチニルメタンが生成することも見いだした(Angew.Chem.Int.Ed.印刷中)。
|
Research Products
(8 results)