2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750124
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 真一 Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, バイオサイエンス学部, 講師 (50317294)
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Keywords | クロロフィル / クロリン / 光合成色素 |
Research Abstract |
光合成の光収穫系アンテナを人工的に再構築したモデル系の作製を目的として、クロロフィル-aより合成したmethyl pyropheophorbide-aの3位ビニル基を3位エチニル基へ変換する手法を開発した。エチニル基同士は銅触媒を用いないアセチレンカップリングを行うことにより、クロリンのQy軸上にパイ共役系が伸長したクロロフィル2量体を合成することができた。このクロリン2量体では長波長領域での吸収(696nm)と蛍光(700nm)、高い蛍光量子収率(0.34)といった特徴が見られた。また、エチニル基へ種々のアジド化合物を環化付加反応させることにより、クロリンの3位にトリアゾール環をもつ誘導体を作製した。これらのトリアゾール化合物のスペクトル特性は、原料の3-ビニルクロリンと類似していることが明らかとなった。 一方、3位、7位および8位にカルボキシル基を持つクロリン誘導体を合成し、酸化チタン微粒子上へ自己集積させることで、色素増感太陽電池に応用した際の機能発現についても検討した。これらの増感色素は、それぞれ対応するホルミル誘導体の次亜塩素酸ナトリウムによる酸化で合成した。グレッツェル型セルによる光電変換効率の評価を行ったところ、Qy軸上にカルボン酸を持つクロリンが最も高い変換効率を示した。3位にカルボキシル基を持つバクテリオクロリン類似体も同程度の効率を示したものの、クロロフィル-cのフリーベース体(ポルフィリン誘導体)の効率はクロリン類に比べて低いことが分かった。
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