2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750162
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白石 壮志 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40292627)
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Keywords | 低消費電力・高エネルギー密度 / ナノチューブ・フラーレン / 表面界面物性 / 無機工業化学 / 誘電体物性 / キャパシタ |
Research Abstract |
炭素系電気化学キャパシタは、優れた出力密度とサイクル寿命を有するがエネルギー密度が低いことが欠点である。そのため、高い容量を示す新規な炭素電極が求められている。研究代表者は、燃焼法によって製造されたフラーレンスートが特に異常な電気化学容量を示すことを数年前に見いだした。例えば、活性炭の面積比容量は有機電解液中にて約6μFcm^<-2>であるが、スートは30μFcm^<-2>以上の値を示すことがある。しかし、その容量発現機構についてはいまだに不明である。そこで本研究では、フラーレンスートの高い電気化学容量の発現機構を明らかにし、五員環を含む新規な炭素電極を構築することで次世代の炭素系電気化学キャパシタの開発指針を得ることを目的とした。本年度は、電気化学水晶振動子マイクロバランス法を用いて、キャパシタ用有機電解液中におけるフラーレンスート電極の分極時の重量変化を調べた。その結果、負電位方向の分極時にはカチオンの吸着に対応する重量変化が、正電位方向の分極時にはアニオンの吸着に対応する重量変化が観測された。これは、ミクロ孔の発達した活性炭と同様の挙動であり、少なくともイオンの吸脱着の観点からはフラーレンスートは、電気二重層の充放電によって容量を発現することが示唆された。また、フラーレンスートにNO処理を施すことで窒素ドープフラーレンスートを調製でき、良好なキャパシタ特性を示した。フラーレンのボールミル粉砕、デカサイクレンの炭素化によって五員環が導入された新規炭素化物の調製を試みたが、明確な五員環の存在を確認することができず、また電気化学特性もその比表面積に見合った容量が確認されるにとどまった。
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Research Products
(3 results)