2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子/層状複水酸化物複合体の創製と新規非ウィルスベクターへの応用
Project/Area Number |
18750176
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
會澤 純雄 岩手大学, 工学研究科, 助手 (40333752)
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Keywords | 層状複水酸化物 / コラーゲンペプチド / 大豆ペプチド / 取り込み / 非ウィルスベクター / ドラッグデリバリーシステム / 細胞 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
近年,有機化合物/層状複水酸化物(LDH)複合体は,LDHの生体親和性を活用した分子コンテナーおよびドラッグデリバリー剤として応用する研究が行われている.一方,ペプチドは,細胞,ホルモン,酵素を形成するほか,生体内において重要な機能を担っているが,熱安定性ならびに耐酸性が低いため安定化が求められている.本申請課題では,LDHへのインターカレーション反応を用い,たんぱく質を構成するペプチドとLDHの複合化に着目し,本年度は,ペプチド/LDH複合体の合成ならびに複合体の構造解析を行った. 1.再構築法によるペプチド/LDH複合体の合成 はじめに,ペプチド/LDH複合体の合成に必要な前駆体であるC0_3/LDHを共沈法により合成し,CO_3/LDHを所定温度において加熱処理を行い酸化物前駆体を調製した.その後,ペプチド水溶液へ酸化物前駆体を所定量添加し,振とうすることによりLDH層間へのペプチドを取り込みを試みた.ペプチド類の取り込みにおよぼす各種反応条件下において検討を行った結果,再構築法によりペプチド類は取り込まれないことが明らかとなった. 2.共沈法によるペプチド/LDH複合体の合成 つぎに,M^<2+>(NO_3)_2-Al(NO_3)_3金属混合水溶液(M^<2+>=MgまたはZn)を所定温度,窒素雰囲気下においてpH調整しながらペプチド水溶液に滴下し,かき混ぜながら加水分解反応させる共沈法によりペプチド/LDH複合体の合成を試みた.生成物の構造解析を行った結果,Zn-Al系LDHの場合,LDH層間ヘペプチドが取り込まれていることが明らかとなり,ペプチド/LDH複合体を合成することに成功した. 以上の結果から,平成19年度予定している細胞毒性試験についてはおもにペプチド/Zn-Al系LDH複合体を用いて検討を行う.
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