2006 Fiscal Year Annual Research Report
光ピンセットとAFMの融合による1本鎖の力学測定の高精度化
Project/Area Number |
18750189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀中 順一 京都大学, 工学研究科, 助手 (00313734)
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Keywords | 光ピンセット / AFM / 高分子鎖 / 力学測定 / バネ定数 |
Research Abstract |
バネ定数が小さくやわらかいものを得意とする光ピンセットとそれに比べてかたいものを得意とする原子間力顕微鏡(AFM)をそれぞれが得意とする領域で用いるという発想の下、高分子1本(1本鎖)の力学特性に関する正確な実験データを得るための新しい装置を開発し、実際に力学測定を行うことを目的し研究を行った。最終的に光ピンセットとAFMを融合した力学測定装置を作成するため個々の機構の開発から取り組んだ。AFM機能としてカンチレバーを走査する三軸のピエゾステージを購入し、カンチレバーのたわみ量を検出する光てこは研究室所有の小型レーザーと位置検出素子を流用して作製した。実際に試料を置くセルを新たに作製した。AFM側の測定性能を評価したところ、水平方向の再現精度として10nm以下の性能が得られた。また高さ方向の精度も高分子鎖を検知するのに十分であることを確認した。光ピンセット側の作業としては、AFMと組み合わせた際の配置に注意しながら、担持した微小球の変位を測定した。装置は研究室に既存の光ピンセットを用いた力学測定装置をベースに行った。カンチレバーを動かすピエゾステージを1軸方向のみに限った場合について、カンチレバーと光ピンセット装置の光軸の調整を繰り返し行い最適化を測った結果、カンチレバーの先端と微小球の距離を10nm程度まで近づけることに成功した。また、このようにカンチレバーと微小球が互いに接近した状態でポリスチレン鎖をそれぞれに結合させることができた。
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