2007 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネル超格子による新構造p型GaAs基板上II-VI族半導体光デバイスの開発
Project/Area Number |
18760014
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
阿部 友紀 Tottori University, 工学部, 准教授 (20294340)
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Keywords | 共鳴トンネル効果 / 半導体超格子 / ZnSe系ワイドギャップ半導体 / MBE成長 |
Research Abstract |
ZnSe系II-VI族ワイドギャップ半導体による新光デバイス(青-緑レーザ/発光ダイオード,青-紫外線光検出器など)は、次世代マルチメディアシステムで必須となる高速大容量光ディスクシステム構築のキーデバイスとして期待されているが、従来の基板はn型GaAs,ZnSeに制約されており,上部電極コンタクト層にトンネル効果を利用した「超格子電極」を設ける必要がある。このような現在のデバイス構造においては、超格子電極に起因したレーザの素子劣化、光センサーの吸収損失といった重要な問題を抱えている。 本研究では、上述した技術課題を根本的に解決するために、成長界面に「共鳴トンネル超格子層」を導入することでp型GaAs基板結晶からp型ZnSe成長層への正孔注入障壁低減し、素子構造を反転させた。本技術の確立により、現在までp型基板上では実現し得なかった新規デバイス構造の採用が可能となり、以下のデバイスへ応用して素子性能の向上を図った。 1.ZnSSe系PIN型光検出器:150Åオーダーの極薄膜n型窓層による上部吸収損失の低減により、特に紫外(300nm帯)受光感度の向上(>40%)を実現した。 2.ZnSSe系アバランシェフォトダイオード:デバイス窓層へpn接合型ガードリングを設けることにより、アバランシェ動作電圧付近で従来より2桁小さい10^-11Aオーダーの低暗電流化を実現した。
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