2008 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネル超格子による新構造p型GaAs基板上II-VI族半導体光デバイスの開発
Project/Area Number |
18760014
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
阿部 友紀 Tottori University, 工学研究科, 准教授 (20294340)
|
Keywords | 共鳴トンネル効果 / 半導体超格子 / ZnSe系ワイドギャップ半導体 / MBE成長 |
Research Abstract |
ZnSe系II-VI族ワイドギャップ半導体による新光デバイス(青-緑レーザ/発光ダイオード, 青-紫外線光検出器など)は, 次世代マルチメディアシステムで必須となる高速大容量光ディスクシステム構築のキーデバイスとして期待されているが, 従来の基板はn型GaAs, ZnSeに制約されており, 上部電極コンタクト層にトンネル効果を利用した「超格子電極」を設ける必要がある。 本研究では, 上述した技術課題を根本的に解決するために, 成長界面に「共鳴トンネル超格子層」を導入することでp型GaAs基板結晶からp型ZnSe成長層への正孔注入障壁低減し, 素子構造を反転させた。本技術の確立により, 現在までp型基板上では実現し得なかった新規デバイス構造の採用が可能となった。特に光検出器では窓層を高濃度ドナードープが可能なn型ZnSeとすることができるため, 光吸収損失を低減することが可能となり, 昨年度までに極薄膜(150A)の窓層で紫外(300nm帯)外部量子効率の向上(>40%)を実現した。 本年度は, 特に光検出器において最も重要となる窓層での光吸収損失をさらに低減させることに主眼を置き, 下記の2点のように, 光検出器の大きな効率向上を図ることができた。 1. ZnSSe系PIN型光検出器 : n型窓層をエッチングし, 光を直接活性層に入射させることで, 完全に窓層での光吸収損失を無くし, 紫外(325nm)受光感度の向上(40%)を実現した。 2. ZnSSe系半導体上に窓層として紫外透明な有機導電膜(PEDOT : PSS)を組み合わせた, 有機-無機ハイブリッド光検出器を実現し, 紫外(300nm)で外部量子効率81%, 深紫外(250nm)で70%と大幅な効率向上を実現した。
|
-
-
-
-
-
[Presentation] 青-紫外線光波帯ZnSSe系アバランシェ・フォトダイオード(APD)に関する研究-p型ガードリングによる側面リーク電流の制御-2008
Author(s)
野村まり, 稲垣雄介, 延一樹, 谷達矢, 三木耕平, 堅田大介, 大下雄太, 田中健, 阿部友紀, 笠田洋文, 安東孝止
Organizer
第69回応用物理学会学術講演会
Place of Presentation
中部大学
Year and Date
2008-09-04
-
[Presentation] 青-紫外線光波帯ZnSSe系アバランシェ・フォトダイオード(APD)に関する研究-pn接合型ガードリング付APDの量子効率・増倍率改善-2008
Author(s)
稲垣雄介, 野村まり, 延一樹, 谷達矢, 三木耕平, 堅田大介, 大下雄太, 田中健, 阿部友紀, 笠田洋文, 安東孝止
Organizer
第69回応用物理学会学術講演会
Place of Presentation
中部大学
Year and Date
2008-09-02