2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 浩基 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70391274)
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Keywords | 粒子弁別 / マルチワイヤ検出器 / 中性子計測 / 二次荷電粒子 / 個別読み出し |
Research Abstract |
高エネルギー中性子が生体内に入射した際に発生する二次荷電粒子はそれぞれ核種によって異なる線エネルギー付与を持つため、弁別して測定することは重要である。本研究では二次荷電粒子の粒子識別を行うための手法として、同じエネルギーを持つそれぞれの荷電粒子の飛程の違いを利用する方法を提案した。粒子の飛程はマルチワイヤ検出器の個々の信号ラインから決定し、一方エネルギー情報はそれぞれの信号ラインを結合して測定する。この測定手法の必要要素技術として有感検出部内における電荷情報と出力波高分布の高い比例性が必要となるが、3He(n,p)T反応による放出エネルギー765keVを用いて波高分布を取得し、各有感領域での一様性を確認した。実験は日本原子力研究開発機構放射線標準施設に設置してある黒鉛パイル熱中性子場で行った。それぞれの有感領域におけるガス増幅率のばらつきは10%以下であり、均一性を有する検出素子であることを確認した。印加電圧、最適ディスクリ値の決定の後、この手法における原理確認試験として241Amアルファ線源からのアルファ線を用いて飛程とエネルギー情報の同時取得を行った。線源内のエネルギー損失のため検出器有感部には様々なエネルギーを持つアルファ線が入射するが、それぞれの入射エネルギーに対するアルファ線の飛程毎のエネルギー情報を得ることができ、エネルギー分解能の向上を示した。一方この同時測定から他の荷電粒子に対する粒子識別が可能であることを確認した。また、アルファ粒子の軌跡を二次元で測定可能であることを利用し、放出角度方向が選別可能であることを確認した。
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Research Products
(3 results)