2007 Fiscal Year Annual Research Report
空気流を利用した付着性粉体層の完全分散制御方法の検討
Project/Area Number |
18760133
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
尾形 公一郎 Oshima National College of Maritime Technology, 電子機械工学科, 講師 (50370028)
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Keywords | 混相流 / 付着性粉体層 / 分散 / 流動化 / 空気噴流 / 固気相互作用 |
Research Abstract |
[研究の目的] 一般に流動化空気のみで付着性粉体を分散制御することは困難とされており,流動化と同時に機械的操作などを付加する方法などを用いて,層内部に粒子間力より大きいエネルギーを与えて,粒子の凝集構造を低減させる試みがなされている.しかしながら,これらの方法は,機械的操作に伴う構造の複雑化や部品の保守・管理などが必要と考えられることから最も有効な手段とは言い難いと思われる.そこで,本研究では,取り扱いが困難な付着性粉体層の付着・凝集構造を空気流で有効に分散制御する方法を検討する事を目的として実験的に調査を進めた. [実験方法と条件] 容器内に充填した付着性粉体を空気流のみで分散させ,その分散粒子を捕集する実験を行った.ここで,空気流は(1)均一空気を流入(2)多孔スリットで流入させるものとした.ここで,多孔スリットとは,粒子-壁面間力,粒子間力の低減効果を狙って直径1mmの多数の孔と幅1mmのスリットを設けた空気供給部である.本実験ではセメント原料を用い,初期粉体充てん量は100g,流入空気流量は15〜25L/minに設定した.実験では,流動化分散粒子を捕集,層内へ供給する空気圧力を測定し,流動化分散状態をデジタルビデオカメラで記録した.また,流動化前後の粒度分布を測定し,流動化による粒度分布変化(流動化分散変化)の特性を調査した. [まとめ(意義)] 付着性粉体の流動化分散方法を検討し,以下の知見が得られた. (1)多孔スリットの流動化では捕集粒子の粒度分布の幅が小さくなる傾向を示した. (2)付着性粉体の流動化では時間経過とともに流動化を停止する現象が見られた.本実験範囲内では,多孔スリットを用いて空気流量を高く設定した条件で,計測終了まで流動化を維持する状態が見られた.これは,多孔スリットを通して流入した空気流が他の方法と比較して粒子間力などを低減できたためと推測される.
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