2006 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリックスピーカによる高指向性波を用いた能動騒音制御
Project/Area Number |
18760165
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小松崎 俊彦 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (80293372)
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Keywords | 機械力学・制御 / 能動騒音制御 / 指向性 / 静音化 / パラメトリックスピーカ |
Research Abstract |
本研究では,騒音の存在する自由空間内音場において,高指向性スピーカを利用して局所的に騒音を低減し,通常のスピーカでの場合のように,周辺空間に余分な音の増大を招くことなく静音化を実現する新しい能動騒音制御システムの開発を目的とする. 平成18年度は基礎的検討として,パラメトリックスピーカの指向性,および騒音との干渉音場の性質を検証するために,音場自動計測システムを構築し,音圧分布を実験的に計測した.まず,通常スピーカと高指向性スピーカをそれぞれ単一に設置して指向性を調べる実験を行い,続いて騒音源を模擬した通常スピーカに対して,同じく通常スピーカを制御音源として利用する場合,および制御音源としてパラメトリックスピーカを用いた場合の2通りの干渉音場を計測した.いずれもスピーカ前方空間の音圧分布を測定対象とし,スピーカ中心軸を通る水平面を格子状に区切った各点での音圧実効値を計測した. 指向性については,通常スピーカでは設置位置を中心に音が同心円状に伝播するのに対し,パラメトリックスピーカではスピーカ前方空間に音圧の高い領域が直線的に分布し,なおかつ距離減衰が小さいこと,およびスピーカ中心軸から離れた左右の測定点ではほとんど音圧が検出されないことがわかり,指向性の鋭さを確認した.計測対象周波数帯域においては,指向性の周波数依存性は確認されなかった. また,干渉音場については,通常スピーカ同士の場合では制御目標点での音圧を低減するよう両音源の位相差を調整すると,制御音源付近および目標点の周辺空間において著しく音圧が増加するのに対して,高指向性スピーカでは,制御音源軸上の非常に狭い空間を除き,干渉前の音場が保存されることがわかった.さらに高指向性スピーカを利用すれば,音源音圧を小さく設定できるという利点があることがわかった.
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Research Products
(2 results)