2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速シャッター制御によるMHz帯高速動磁区観察と高周波マイクロ磁気デバイスの開発
Project/Area Number |
18760255
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹澤 昌晃 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 助教 (20312671)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 電子・電気材料 / 磁性 / 磁区観察 / カー効果顕微鏡 / 動磁区 |
Research Abstract |
本研究の目的は、MHz〜GHz帯域を動作周波数とする高周波マイクロ磁気デバイスに用いられる高周波用微細磁性体において、高速駆動時の磁区観察手法を確立し、磁区構造および磁化過程の制御によるデバイスの高性能化、低損失化を実現することである。 本年度は、前年度に構築した高速動磁区観察システムを用いて、磁性材料の微細加工に伴う高速磁化反転の劣化を抑制する手法としての磁区構造制御法を確立するため、以下の手順で検討を行った。 1高周波用磁性薄膜として、GHz帯域まで低損失であることが知られているヘテロアモルファスグラニュラー磁性薄膜を用い、その磁区構造、磁化過程を調べた。 2上記のグラニュラー薄膜を、高周波マイクロ磁気デバイスを想定した寸法および形状に微細加工し、微細加工による磁区構造、磁化過程の変化を観察した。 これらの検討により、グラニュラー薄膜では、従来から用いられる高周波用磁性材料であるアモルファス磁性薄膜などと比較して、その磁区幅が極端に狭く、また本磁区観察システムにて磁壁が観察されないことから、磁壁の厚みが光学顕微鏡で観察できる250nmよりも小さいことが分かった。このことは、グラニュラー薄膜では、アモルファス薄膜と比較して磁壁部分で磁化が急激に反転していることを示唆している。 また、微細加工した試料では試料端部で磁区幅が狭く、試料中央に向けて磁区幅が広がって行く様子が観察できた。これは、微細加工によって反磁界が増加することから、試料端部で静磁エネルギーを増加させないよう磁区を細分化させている結果によるものだと考えられ、マイクロ磁気デバイス作製における重要な設計指針を得ることができた。
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