2006 Fiscal Year Annual Research Report
複数企業を対象としたサプライチェーンの在庫管理手法の開発
Project/Area Number |
18760296
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西 竜志 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (10335581)
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Keywords | サプライチェーン / 生産計画 / スケジューリング / 在庫管理 / 最適化 |
Research Abstract |
本研究では,複数企業間のサプライチェーン計画問題に対する在庫管理手法の開発を目的として,以下に示す研究を行った. 1)単一工程生産システムを対象とした不確実需要に対するサプライチェーンの在庫管理手法を開発した.期が進行するとともに需要量が次第に確実になるという需要の不確実性を想定したサプライチェーン計画問題をモデル化し,需要の平均値と分散のみの情報を用いて,次期の原料調達量と製品在庫量を決定する在庫管理方法を開発した.開発した手法により,生産計画問題を対象として,機会損失コストと在庫コストのトレードオフ関係を最適に調整することができること,および原料調達量と目標安全在庫量の決定パラメータの近似最適値は,正規分布を仮定した需要に対して,在庫理論における不確定需要に対する静態的決定法によって導出できることを示した.また,アーラン分布に従う受注による納期間隔を想定した生産計画・スケジューリング問題に対して,在庫コストと納期遅れのフィードバックによって,需要変動に対して柔軟に対応できることを示した. 2)生産計画調整問題を混合整数計画問題としてモデル化し,拡張ラグランジュ分解調整法の原理を利用した分散型最適化手法を開発した.開発した手法をアルミ工場における生産計画とスケジューリング問題,石油コンビナートにおける複数企業間の取引計画問題,および複数企業間の中期計画問題へ応用し,提案手法により最適性に優れた解が得られることを確認した. 今後は在庫管理手法が複数企業問における在庫変動や解の最適性に与える影響について検討する予定である.
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