2008 Fiscal Year Annual Research Report
変数誤差モデルに対する実現理論の構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18760318
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 秀幸 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (90303883)
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Keywords | システム同定 / 有界誤差モデリング / 確率実現 / 不定実現 / 部分空間同定法 / リッカチ方程式 / Hammersteinモデル / 閉ループ同定 |
Research Abstract |
本研究の目的は, これまで研究してきた実現理論に基づくシステム同定を拡張し, モデル集合を与えるような実現理論を構築することである. 本年度は, モデルの集合を与えるための実現として提案してきた「不定実現」についてさらに研究を行った. 具体的には, 観測した入出力データに基づいた状態推定を与えるための基礎として, 繰り返しによる解法を整備した. さらに,実現理論アルゴリズムに基づくシステム同定の研究も進めた. 具体的な成果は以下の通りである. 1)確率実現におけるリッカチ差分方程式の解が定常リッカチ方程式の安定化解に収束することについて, Faurreとは異なる証明を与えた. Faurreは正実性に基づいているのに対して, 純粋にリッカチ差分方程式による方法を示し, SSS'08において発表を行った. 2)確率実現の正実なスペクトル密度関数に対応するものが, 不定実現では不定なポポフ関数となる. 不定実現のリッカチ差分方程式の解の収束性について, SSS'08の結果を不定実現へと拡張した. この成果を国際会議SYSID2009に投稿したところ, 採用された. 3)実現理論に基づいて, Hammersteinモデルとよばれる非線形モデルのシステム同定に関する考察を行った. 三角多項式を用いて非線形静的部分の近似を行い, 動的線形部分の入力のPE性について解析を行った. 4)システム制御情報学会チュートリアル講座(2008/6/16), 日本鉄鋼協会若手フォーラム主催宿泊セミナー(2008/9/4)において,閉ループ同定に関する説明を行った(どちらも招待講演).
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