2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物全体系を対象とした耐震性能照査手法の開発
Project/Area Number |
18760346
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 朋広 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (30401540)
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Keywords | 3次元 / 格子モデル / 構造物全体系 / 地震時挙動 / せん断破壊 / 鉄筋座屈 / 鋼絨維補強コンクリート / 残存耐荷性能 |
Research Abstract |
1.本研究では、RC部材のせん断耐荷機構をシンプルに評価できる3次元格子モデルを用いて、地震力を受けるRC構造物全体系の3次元地震時挙動を評価することを試みた。格子モデルは、RC部材を軸力のみを伝える1次元のトラス要素に離散化しているので、RC部材のせん断耐荷機構をシンプルに評価できる。このモデルを用いて、RC高架橋全体系を対象とした時刻歴応答解析を行った。解析の結果と、兵庫県南部地震でRC高架橋の実際に見られた被害を比較することによって、柱基部での軸方向鉄筋の座屈や柱のせん断破壊を妥当な精度で予測可能なことを明らかにした。これにより、構造部材レベルに加え構造全体系の地震時応答予測への適用可能性を示すことができた。ただし、ここでは地盤と基礎はモデル化に含まれておらず、地盤、基礎、構造物の達成作用が構造全体系の地震時挙動に与える影響については、今後の課題である。 2.また、鋼繊維補強コンクリートを用いた構造部材を対象とした、基礎的な実験も行った。ここでは、分布ひび割れが既に生じている部材の残存耐荷性能を把握するため、鋼繊維補強鉄筋コンクリート部材のせん断耐荷力に与える影響について実験的に検証した。分布ひび割れの量と繊維混入量を変化させた場合の、RC部材のせん断耐荷力に関する基礎的なデータを得ることができた。 3.この他、鉄筋腐食したRCはり部材のせん断耐荷機構を把握するため、格子モデルを用いて解析的に検討した。ここでは、鉄筋腐食を鉄筋の断面欠損、および主鉄筋とコンクリートの付着劣化として解析に反映させた。その結果、鉄筋腐食の程度が大きくなるにつれ、はりのせん断耐力が上昇し,せん断破壊モードから曲げ破壊モードへ移行する傾向を解析的に説明できた。
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