2006 Fiscal Year Annual Research Report
サプライチェーン特性を考慮した貨物輸送ネットワーク解析
Project/Area Number |
18760391
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 忠史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80268317)
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Keywords | サプライチェーン / 貨物輸送 / ネットワークモデル / マルチエージェント |
Research Abstract |
本研究の目的は、代表的な業種や品目に着目して、サプライチェーン特性を明確にした上で、サプライチェーン特性を考慮した貨物輸送ネットワーク解析手法を開発し、その解析手法を用いて効率的で環境に優しい貨物輸送ネットワークについて検討することにある。研究初年度である本年度は、(a)種々の調査結果を用いたサプライチェーン特性の把握、および、(b)サプライチェーンネットワーク設計モデルの基礎の構築に努めた。 項目(a)については、国内外の企業へのヒアリング調査、既存文献の精査、関連学会・研究会での資料および情報収集、都市圏物資流動調査の結果の援用を通じて、サプライチェーンの形態や、それが貨物交通需要に及ぼす影響範囲について、業種や品目によって相違する可能性があることを把握した。 項目(b)については、均衡理論に基づいて、サプライチェーンネットワーク設計の基礎モデルを作成した。このモデルでは、サプライチェーン上での各エージェント(各主体)の行動、すなわち、製造業者、卸売業者、小売業者、消費者の行動が内包されており、在庫費用や拠点配置などについての意思決定も考慮されている。モデル化に際しては、項目(a)の結果から得られたサプライチェーン情報を利用した。モデルは数理計画問題で表されるが、その解法については、厳密解法を適用し、ヒューリスティック手法の適用も試みた。モデルを用いた基礎的検討の結果、サプライチェーン上で活動する主体数によって、商品の流動量および価格が変動することが確認された。また、取引費用や在庫費用が商品の流動量および価格に影響を及ぼすこと、および、その影響が主体数の相違に伴って変化することが確認された。
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