2007 Fiscal Year Annual Research Report
サプライチェーン特性を考慮した貨物輸送ネットワーク解析
Project/Area Number |
18760391
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 忠史 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80268317)
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Keywords | サプライチェーン / 貨物輸送 / ネットワーク均衡モデル / マルチエージェント |
Research Abstract |
生産拠点や販売領域の国際的な拡張に伴い、サプライチェーンマネジメントの重要性が増大してきており、サプライチェーン全体を見渡した中で、貨物輸送や物流に関する意思決定がなされる場合が多くなってきている。本研究は、物流および貨物輸送がサプライチェーン上で行われる活動の一つであることに着目し、サプライチェーン特性を考慮した貨物輸送ネットワーク解析手法の開発を試みるものである。 上述の目的の下、本年度は、貨物輸送や物流に関する意思決定とサプライチェーンネットワークとの関係を考察するために、現象記述型のサプライチェーンネットワーク均衡モデルを構築した。サプライチェーン上で活動するエージェント(製造業者、卸売業者、小売業者、消費者など)の行動の相互作用に着目してモデル化し、エージェントの数やその活動拠点の位置などを考慮して複数のモデルを構築し、それらから得られる結果の相違点を考察した。また、前年度に調査・分析したサプライチェーン特性の結果を活用して、モデル内で使用する関数形やパラメータ値の精緻化も行った。さらに、サプライチェーンネットワークと交通ネットワークとの関係を考究するために、物流事業者の行動もモデルに内包した。 このモデルを、製造業のサプライチェーンネットワークを想定した仮想のサプライチェーンネットワークに適用することにより、効率的で環境に優しい貨物車交通施策について基礎的検討を行った。都市内貨物車流入規制や配送計画システムの高度化について効果を検討し、各エージェントのコスト面でのメリットおよびデメリット、さらには、サプライチェーンネットワーク全体の効率性について評価した。
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