2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760484
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下田 一太 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (40386719)
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Keywords | 建築史 / 考古学 / サンボー・プレイ・クック / イーシャナプラ / アンコール遺跡 |
Research Abstract |
「サンボー・プレイ・クック遺跡群の全容解明」と「プラサート・サンボー寺院の原型の解明」を目的として調査を実施した。遺跡群の表採調査からは、多数の陶器ならびに瓦などの遺物が収集された。遺物の記録と分析を実施したほか、遺跡群全域の図面中に収集地点をマッピングした。また、都城イーシャナプラ内のオークロカエ村の村落配置図の作成と聞き込み調査を行い農作業中に遺物の出土状況について確認した。この他、村内に多数分布する縦穴式井戸の土層断面の調査を実施し、今後の発掘調査地区を検討するための基礎資料とした。遺跡群北部のモニュメント45と49の地点では、考古学的発掘調査を実施した。モニュメント45からは、煉瓦とラテライト造りの周壁に囲繞された寺院址が出土した。モニュメント49からは、煉瓦遺構が広い範囲から検出され、地下90cmから290cmというかなり厚い土層からクメール土器が連続的に出土した。遺跡群周辺の広域調査では、コンポントム州の空中写真をGISに組み込み、溜池の分布を記録することで、都市の領域に関して分析した。また、同様にアンコール遺跡群の西バライから、サンボー・プレイ・クック遺跡群へと繋がる古道について正確な経路の記録を図った。プラサート・サンボー寺院では、東西の主軸上、東側にてロングトレンチをいれ、寺院境内の構造について精査した。内外の周壁の正門の構造や中心軸上の参道状の遺構の構造が明らかとなった。また、複数回にわたる改変の痕跡が確認され、碑文や美術様式に示されている後世の改宗が裏付けられる結果が得られた。
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