2007 Fiscal Year Annual Research Report
臨界点近傍の物性値の急激な変化を利用した環境汚染物質除去装置に関する研究
Project/Area Number |
18760565
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
孔 昌一 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 特別研究教員 (60334637)
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Keywords | 超臨界 / 臨界点 / 二酸化炭素 / 拡散係数 / 分配係数 / CIR法 / Tavlor法 / ラングミュア |
Research Abstract |
本研究はキャピラリー拡散管を用い,臨界点付近で,高精度な拡散測定手法の確立とその実測データの蓄積を目的とする.本年度の成果としては,以下の三点が挙げられる. 1.前年度の引き続き臨界点近傍用の拡散係数の測定装置の改良を行った:UV検出器の入口と拡散カラムと水平に設置できるように恒温水槽に穴を開け,また、セルと恒温水槽との距離を近づけ,システム全体温度をより一層安定させ,さらにインジェクターの出口を拡散カラムと水平に設置し,初期注入の影響を最小限に抑えることで,実験の温度・圧力をより安定に制御でき,臨界点付近での高精度な拡散測定が可能となった.そして,臨界点付近での拡散測定では,Taylor法よりCIR法の方が優れていることを明らかにした. 2.蓄積された拡散データと文献値を用い,液体から超臨界流体まで幅広い範囲で拡散係数の相関の検討を行った:ここでは,溶質を固定し,溶媒として超臨界二酸化炭素,各種液体溶媒中における相互拡散係数および,その溶質の自己拡散係数についてD/Tと溶媒粘度ηとの関係について検討し,広範囲な粘度(密度)範囲における推算式(D/T=αη^β)は有効であることが確認できた. 3.溶質によって,応答曲線にしばしばTailingが生じる.これは拡散管内壁での溶質と固定相との間で起きている吸着は線形吸着ではなく、ラングミュアタイプの吸着になっている可能性あることがわかった.今後,ラングミュア吸着モデルによる正確なデータ解析が期待できる.
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