2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスガス化で生成するタールの新規流動層酸化改質反応に関する研究
Project/Area Number |
18760578
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
古澤 毅 Utsunomiya University, 工学研究科, 助教 (50375523)
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Keywords | バイオマス / ガス化 / タール / 触媒 / 水蒸気改質 / サイクル試験 / 析出炭素の酸化除去 / 触媒の前処理の有無 |
Research Abstract |
前年度より継続して、バイオマスタールの水蒸気改質反応での触媒耐性に着目し、研究を遂行した。Ni/MgO触媒において、水蒸気改質反応後に触媒上に析出する炭素を温和な酸化条件で除去でき、触媒の前処理を施さなくても改質反応が発現する点を見出し、触媒のサイクル利用試験を行った結果、3サイクル目で失活することが分かった。この検討結果を受けて、本年度DNi/MgO触媒に貴金属を添加する系、あるいは貴金属担持/MgO触媒を調製し、Ni/MgO触媒を超える触媒活性と耐性を有する新規触媒の開発を試みた。 まず、Ni/MgO触媒へ貴金属(Pt, Ru, Pd)を添加した結果、RuおよびPdにおいては添加により水蒸気改質活性が若干向上したが、Ptにおいては水蒸気改質活性および生成物挙動が不安定となり、添加効果は観測されなかった。一方、貴金属担持/MgO触媒に着目すると、Pt/MgO触媒が比較的安定かつ高い水蒸気改質活性を示したことから、同触媒を用いて詳細な検討を行うこととした。Pt/MgO触媒において、反応温度・S/C比を変更させて検討した結果、反応温度を正073Kより973Kへ下げると、水蒸気活性は大幅に減少するのに対し、S/C比を増加させると、活性は大幅に増加することが分かった。また、Pt/MgO触媒を水蒸気改質反応→酸化処理→水蒸気改質反応のサイクル試験へ適用した結果、10サイクルまで安定した活性挙動を示した。以上の結果から、反応温度(1073K)・S/C比=3において炭素基準転化率90%を30時間に亘って維持し、サイクル試験(10サイクル)に耐性があるPt/MgO触媒を新規に開発することに成功した。
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