2006 Fiscal Year Annual Research Report
将来の惑星探査へ向けた大気突入飛行環境予測技術向上のための熱空気力学的研究
Project/Area Number |
18760612
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
松田 淳 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 宇宙航空プロジェクト研究員 (80415900)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 衝撃波 / 高エンタルピー流 / 輻射 / 熱化学非平衡流 / 電離解離流れ / プラズマ流 / 圧縮性流体力学 |
Research Abstract |
強い衝撃波背後の熱化学的現象の内、回転緩和現象の理解に有用と考えられるコヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS法)による窒素分子の電子基底状態N2(X State)の振動、回転温度の計測の可能性の検討を行った。特に、本年度は他機関で過去に得られた比較的衝撃波速度が遅い、5km/s程度の衝撃波背後で得られたCARS分光結果と同一条件で行われた衝撃波背後のN2(2+)の発光分光法による計測結果の比較から、CARS分光の問題点、改良点の検討を行った。 得られた主要な成果は以下の通りである。 1.発光分光、CARS分光の結果共に、衝撃波背後平衡状態においては、理論的に予測される平衡温度付近に分布する傾向が見られたが、CARSによる温度の分散が目立つ結果となった。 2.発光分光法では振動より回転温度の方が高く算出されたのに対し、CARS分光では回転温度より振動温度が高く、両手法で全く逆の結果となったが、衝撃波背後のエネルギーモードの移乗のメカニズムからは、発光分光による結果が妥当と考えられ、現状ではCARSによる温度算出には誤差が含まれていると考えられる。 3.2.を踏まえて、現状でのCARS法における誤差の主因として、温度算出に用いる理論スペクトルの計算の際に、圧力の影響を無視していることが主因と考えられている。 そこで、次年度は、圧力の影響を考慮した、より詳細な理論スペクトル計算手法の構築を行い、CARSスペクトルに基づく振動回転温度を再算出すると同時に、より高速8km/s以上で伝播する衝撃波背後でのCARS分光データの取得や、強い衝撃波背後での電離に関する予備計測などを予定している。
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