2006 Fiscal Year Annual Research Report
構造解析に基づくLINE型レトロトランスポゾンの転移機構の解明
Project/Area Number |
18770090
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真板 宣夫 九州大学, 大学院システム生命科学府, 特任助手 (00404046)
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Keywords | レトロトランスポゾン / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
LINE型レトロトランスポゾンの構造解析を目的に、まずカイコ由来のLINEであるSART1のORF2p全長の大腸菌での発現を試みた。ORF2pは大腸菌でのレアコドンの割合が高いため、Codon Plus、Rosetta、Rosetta2それぞれをpGEX4T-ORF2に形質転換させて発現を確認したところRosetta2で顕著な発現が見られた。しかしながら発現したタンパク質は核酸と強固に結合しており、その後精製することが困難であった。このため、全長での構造解析をいったん保留し、N末のエンドヌクレアーゼドメインを削ったもの(ΔN)およびC末のZnフィンガードメインを削ったもの(ΔC)を作製し、発現・精製を試みた。その結果、ΔCにおいて核酸をタンパク質がら除去することができた。 次にLINE型レトロトランスポゾンの標的配列特異性を明らかにするために、カイコ由来のTRAS1のORF2pN末に存在するエンドヌクレアーゼドメインと標的DNAとの複合体の結晶化を試みた。結晶化に用いるDNAの配列および塩基数を変えて条件を振ったところ、8から9塩基対のDNAでPEG20kを沈殿剤として用いた際に良質な結晶が得られた。この結晶を凍結させ、つくばのPFで2.8Åまでの回折データを収集することが出来、現在構造精密化計算を行っている。さらに分解能向上を目指して結晶化条件の最適化を行っている。 別のカイコ由来のLINE型レトロトランスポゾンであるR1Bmのエンドヌクレアーゼドメインについては、単独の結晶構造とその生化学的特異性を調べる実験を行い、その成果を論文としてまとめ、現在投稿中である。R1Bmについても同様に標的DNAとの複合体結晶化を試みたが、現在まで結晶化に成功していない。
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