2007 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体を介するシグナル伝達経路の構造機能解析
Project/Area Number |
18770092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杤尾 豪人 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (70336593)
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Keywords | 自然免疫 / Toll様受容体 / NMR / 構造生物学 |
Research Abstract |
Toll様受容体及びIL-18受容体に関連するアダプター分子MyD88はTIRドメインとDeathドメインからなる。H18年度に決定したMyD88 TIRドメインの立体構造及び、培養細胞でのレポーターアッセイの結果からMyD88 TIRドメイン中の、TLR4受容体シグナル伝達に必須のアミノ酸残基を同定することができている。本年度は、MyD88 TIRとそれと結合するとされるもう一つのTIRアダプタータンパク質Mal(TIRAP)の間の相互作用を生化学的に精査した。GSTプルダウンアッセイによって、野生型のMyD88TIRとMal TIRが結合することを明らかにした。また、MyD88 TIRの幾つかの残基をアラニン置換したところ、結合が弱くなることを見いだした。これらの残基は、上記のレポーターアッセイでTLR4シグナル伝達が弱まる残基と一致する。さらに、二重置換では一層の相互作用の減弱が見られた。以上のことから、TLR4シグナル伝達には、MyD88 TIRとMal TIRの直接相互作用が必須であることを明らかにした。 また、Mal TIRについて、結晶化用の試料調製を完了し、スクリーニングを開始した。 IL-18シグナル伝達経路は、TLR4経路と同様、MyD88を介することが知られている。上記、MalはMyD88を細胞膜ヘリクルートする"sorting adaptor"であることが知られているが、IL-18系でも同様の"sorting adaptor"の存在が考えられる。生化学的な実験により、TRAMという分子がこの役割を果たしてる可能性があるデータを得た。
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