2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパラン硫酸6O-硫酸基転移酵素によるアルツハイマー病進行仮説の検証
Project/Area Number |
18770119
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
永井 尚子 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 助手 (00367799)
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Keywords | 酵素 / 糖鎖 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
ヘパラン硫酸はウロン酸とグルコサミン残基の繰り返し構造を持ち、様々な硫酸化の修飾を受ける。ヘパラン硫酸硫酸基はヘパラン硫酸が機能を発揮する上で中心的な役割を担っており、硫酸化反応を制御することは、ヘパラン硫酸の生理活性を制御する重要なステップであると考えられる。グルコサミン残基の6位に硫酸基を転移する酵素(HS6ST)はゴルジ体ではたらく酵素であるにもかかわらず、培養上清や血清中に活性が見いだされ、細胞外への分泌が硫酸基のレベルを制御している可能性が考えられた。そこで我々はHS6STの細胞外分泌を制御するメカニズムについて研究を着手した。興味深いことにHS6STの3つのアイソフォームの中で、HS6ST3のみがβセクレターゼの阻害剤で細胞を処理することにより細胞外への分泌が抑制された。また、HS6ST3を発現させた細胞をβセクレターゼの阻害剤で処理するとヘパラン硫酸の6位の硫酸基が増加した。界面活性剤Triton X-114を用いた層分離アッセイ法によりHS6ST3は膜に結合しない可溶性のタンパク質として細胞内で存在することが確認されたことから、HS6ST3は分泌初期の段階で膜貫通領域を失い、βセクレターゼ活性に依存した機構により細胞外に分泌されると考えられる。HS6ST3の分泌に関わる因子を同定するために、HS6ST3-GFPを細胞に発現させ、抗GFP抗体で免疫沈降した後、相互作用するタンパク質を銀染色→ペプチドマスフィンガープリント法により同定した。現在候補タンパク質がいくつか同定されており、これらのタンパク質にタグを付けて細胞内に発現させ、HS6ST3と相互作用するか否かを調べている段階である。
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Research Products
(1 results)