2006 Fiscal Year Annual Research Report
トマトにおける細胞壁分解酵素の基質特異性と発現・機能解析
Project/Area Number |
18780025
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
立石 亮 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (30267041)
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Keywords | トマト / α-アラビノフラノシダーゼ / β-キシロシダーゼ / 形質転換 / 軟化 |
Research Abstract |
細胞壁の構造変化は、果実に特有の肉質を形成し、さらに、過熟時におけるその進行は著しい品質の低下をもたらす。多数の細胞壁代謝酵素のうち、アラビノースの遊離に働くことが推定されるglycoside hydrolase family 3に分類されるα-アラビノフラノシダーゼについて、クローニングと発現解析、リコンビナントタンパクを利用した基質特異性の検討、および、機能解析のための形質転換体の作成を行うことにより、園芸作物(トマト)における本酵素の役割を明らかにすることを目的とした。 1.トマト果実からglycoside hydrolase family 3に分類されるα-アラビノフラノシダーゼを既知報を元にRT-PCR法によってクローニングし、全長塩基配列を決定した。本酵素をコードしていると考えられる数種のクローンが得られ、それらの発現パターンを調べたところ、発現ステージならびに発現部位が各々で異なっていた。したがって、トマトの生長や成熟の様々なステージでglycoside hydrolase family 3に分類されるα-アラビノフラノシダーゼが作用していることが推定された。 2.得られた遺伝子がコードするタンパクについて活性レベルでの定義を行うため、異種細胞系を用いたタンパク発現システムを構築し、この遺伝子がコードするタンパク質がα-アラビノフラノシダーゼ活性を有することを碓認した。大腸菌をホストとした形質転換では活性を有する形でのタンパク質合成は起こらなかった。植物培養細胞に導入したところ、各アイソザイムがα-アラビノフラノシダーゼあるいはβ-キシロシダーゼ活性を有することが確認された。 3.トマトに本酵素遺伝子のアンチセンス遺伝子を導入した組み換え体のトマトを作出するため、バイナリーベクターへの遺伝子導入を行っている。
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