2006 Fiscal Year Annual Research Report
必須微量元素セレン特異的原子認識機構とセレンタンパク質生合成装置の解明
Project/Area Number |
18780073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助手 (30324693)
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Keywords | セレン / セレンタンパク質 / 必須微量元素 / ストップコドン / セレノリン酸 |
Research Abstract |
SPS1の29番スレオニン、SPS2の63番セレノシステインをシステインで置換した変異体(SPS1cys、SPS2cys)と野生型SPS1の合計3種類の発現系を構築し、精製した。[^<32>P]-ATPを用いたセレニド依存的なAMPの生成を検討した。Se1DとSPS2cys、SPS1cysに活性が検出されたが、SPS1には活性が検出されなかった。^<31>P-NMRを用いてセレノリン酸を検出する活性測定法においても、SPS1のみ活性が検出されなかつた。マウス肝細胞由来Hepa1-6細胞におけるSPS1,SPS2の発現をsiRNAによって特異的に抑制し、セレンタンパク質生合成に与える影響を調べた結果、SPS2を抑制した細胞においては、セレンタンパク質の生成量の減少が確認されたが、SPS1を抑制した場合には影響は見られなかった。SPS2はセレンタンパク質生合成に関与するが、SPS1は関与しない可能性が考えられた。 また、SLA/LPを大腸菌内で発現させ、精製した。部分精製酵素のスペクトルを測定したところ258nmに吸収極大を示した。部分精製酵素をSDS-PAGEに供し、エチジウムプロミドで染色を行ったところ、核酸に由来すると思われるバンドが検出され、このバンドはRNase処理することで消失した。さらに、大腸菌のtRNA^<Sec>特異的なプライマーを用い、部分精製酵素溶液を鋳型としたRT-PCRを行ったところ、大腸菌のtRNA^<Sec>の増幅が確認された。SLA/LPは大腸菌のtRNA^<Sec>と複合体を形成した状態で精製されたと考えられた。ゲル濾過後の精製酵素はピリドキサール酵素に特異的な420nmの吸収を示した事から、SLA/LPはピリドキサール酵素である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)