2006 Fiscal Year Annual Research Report
食欲調節作用を有する低分子ペプチドの探索と作用機構の解析
Project/Area Number |
18780095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大日向 耕作 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00361147)
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Keywords | 脳 / 食欲調節 / 低分子ペプチド / 補体C3a / アンジオテンシンAT2受容体 / コレシストキニン / グレリン受容体 |
Research Abstract |
米アルブミン由来の生理活性ペプチドoryzatensin(GYPMYPLPR)のC末端側5残基のアミノ酸配列をもとに設計した補体C3aアゴニストペプチドのWPLPRが、経口投与により食欲抑制作用を示すことを見出した。WPLPRの食欲抑制作用はプロスタグランジンE2の4種類の受容体サブタイプのうち、EP4受容体のアンタゴニストで阻害されることから、WPLPRはEP4受容体を活性化することにより、食欲抑制作用を示すことを明らかにした。さらに、プロスタグランジン(PG)E2自身が、EP4受容体を介して食欲抑制作用を示すことを初めて見出した。 一方、卵白アルブミン由来の動脈弛緩ペプチドovokinin(2-7)のアミノ酸を4残基置換して得られた高機能化ペプチドnovokinin(RPLKPW)は、angiotensin AT2受容体を介して、食欲抑制作用を示すことを見出した。 また、ナタネ蛋白質由来の3残基の血圧降下ペプチドであるRIYをマウスに経口投与したところ、食欲抑制作用を示すことを報告した。RIYは、コレシストキニン(CCK)受容体に親和性を示さないが、RIYの食欲抑制作用がCCK受容体アンタゴニストによって阻害されることから、RIYは、CCK分泌を促進することにより、食欲抑制作用を示すことが判明した。 なお、食欲調節に重要なグレリン受容体に親和性を示す低分子ペプチドを設計し、本ペプチドが食欲促進作用と成長ホルモン分泌促進作用を有することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)