2006 Fiscal Year Annual Research Report
外来シジミ種群の分子識別法の開発-琵琶湖固有種セタシジミの保全を目指して-
Project/Area Number |
18780152
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
細井 公富 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 研究員 (70410967)
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Keywords | シジミ / セタシジミ / 分子遺伝学 / 外来種 / 種識別 |
Research Abstract |
本研究の目的は、琵琶湖における外来シジミ種群の侵入・定着状況を明らかにするために、分子遺伝学的基準に基づく新しいシジミ識別法の開発を行うことである。本年度は、琵琶湖に生息している外来シジミの分子遺伝学的情報を収集するため、以下に示す研究を行った。 1.琵琶湖沿岸部でのシジミ個体の採集 琵琶湖沿岸部を網羅するシジミサンプリングを行い、計11地点で150個体以上のシジミの採集に成功した。特に湖南・湖東地域で多数の個体を採集した。また、セタシジミ個体を滋賀県水産試験場から譲渡いただいた。さらに、琵琶湖水系以外の淡水域に生息するシジミおよび、数種の中国産輸入シジミを得た。 2.分子遺伝学的解析 1.で得られたシジミ個体からDNAを抽出し、ミトコンドリアCOI遺伝子の部分領域をPCRにより増幅した後、塩基配列の解析を行った。解析の結果、沿岸部で得られたシジミ個体は、琵琶湖固有種であるセタシジミとは異なり、日本の各地で移入の報告があるいわゆる"タイワンシジミ種群"に属する種であることが明らかとなった。また、これらのシジミには、複数のハプログループが存在することが明らかとなった。また、塩基配列のデータベースに登録されている塩基配列データとの比較により、これらのハプログループの中には、世界各地に移入しているシジミと同一の配列を有するものが存在した。以上の結果から、琵琶湖には、複数の移入源から異なる遺伝的背景を持ったシジミが侵入している可能性が示唆された。
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