2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域農業を中心とした異業種間連携による環境負荷低減策の研究
Project/Area Number |
18780165
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大村 道明 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 助教 (70312626)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 環境技術 / 環境分析 |
Research Abstract |
本研究は,農外産業と農業の異業種間連携による農業地域振興と環境負荷の低減の可能性を検証することを目的とする. 今年度実施した農村地域(宮城県南三陸町)におけるヒアリング調査では,地域住民のニーズは短期的には経済的収入であるものの,本質的には「今後も地域内で生活できる術」にあることがわかった.「現金収入のためにはJAの出荷規格外品を少ロットで取り扱う商社が居ると良い」「若年層の定住化には安定的な兼業先が必要」といった従来からよく聞かれる意見もあったが,現金収入や兼業先を地域の外部(都市など)に求めるのではなく,地域内に求めたい,という意向を読み取ることができた. また,本研究における異業種間連携の具体的な事例として,(1)機能性成分を持つ作物の栽培とそのカスケード利用と,(2)廃棄物処理業者と水田農業の連携という二つの事例に絞り込むことにした.前者は宮城県南三陸町,後者は宮城県栗原市を対象地域とする.前者の概要は,ヒトが摂取すると血糖値の上昇を防止する機能性成分を含む作物を栽培し,同時にその作物を家畜・昆虫の飼料とすることで畜産および養殖漁業に好影響を及ぼす可能性の検証である.後者は,一般市民から持ち込まれた廃棄物(自動車)に対して廃棄物処理業者が地域通貨的なものを発行し,それによって農産物を購入できるようにすることで農業振興を図る,とういう連携の可能性の検証である.本年度は,これら連携の可能性を検証する前段階として,それぞれの地域や関連産業の実態調査に重点を置いた.
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