2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形最適化手法を利用した軟弱地盤の長期残留沈下予測と適用性
Project/Area Number |
18780184
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金山 素平 Kyushu University, 農学研究院, 助教 (60398104)
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Keywords | 地盤沈下予測 / ニューラルネットワーク / 動態観測 / 混合土 / 間隙径分布 / 電子顕微鏡 / ポロシメータ / 二次圧密 |
Research Abstract |
実測値に基づいた地盤沈下予測手法の検討-ニューラルネットワークを利用した沈下予測手法- 短期間の少ない実測値に基づく地盤沈下予測法として,非線形性の強い種々の予測問題に多用されているニューラルネットワーク手法を用いた地盤の沈下予測手法について検討した.沈下速度に基づいた学習方法をニューラルネットワークに採用することにより,比較的早期のデータ(圧密度約40%に相当)で比較的精度の高い沈下予測を行うことができた.このことから,適切な規則性を有するデータを学習させることにより,早期の地盤沈下予測を可能とすることが分かった. 砂-粘土混合土の圧密沈下特性とその構造観察 混合士の圧密定数や二次圧密速度を検討するとともに圧密や砂分含有量に起因する間隙構造の変化と圧縮性や二次圧密速度との関係について検討した.砂分含有率の違いにより,混合土の間隙径分布は大きく異なった.有明粘土は団粒構造を有しており,間隙は団粒間間隙と団粒内部間隙に分けられる.圧密によって崩壊するのは団粒間間隙であり,団粒内部間隙は圧密の影響を受けず,圧密による間隙の崩壊は大きな間隙から起こる.このことから,体積圧縮や圧密速度等の粘土の圧縮性を示すパラメータと崩壊する間隙の大きさの間に相関があることを認めた. 不撹乱海成粘土の二次圧密係数 不撹乱海成粘土の二次圧密係数Cαeは,圧密降伏応力pc以下においては圧力の増加に対して増大し,pc近傍の圧力において最大値を示したが,それ以降の圧力の増加に対しては減少を示した.また,Cαeと圧縮指数Ccの比であるCαe/Ccはpcより大きいpに対してはほぼ一定であり,Cαe/Ccの分布の95%信頼区間は0.029〜0.049となり,Laddらの指摘の範囲内であった.再載荷過程におけるCαeは,載荷過程のそれと比較して1/2以下の値となった.また,過圧密・正規圧密領域におけるCαe/Ccは,圧密降伏応力または除荷前の最大圧密圧力と圧密圧力の比である応力比を用いて評価することができた。
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