2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18780195
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
小林 有一 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・バイオマス資源循環研究チーム, 主任研究員 (10355513)
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Keywords | 農業機械 / 作業技術 / 信頼性工学 |
Research Abstract |
機械作業では様々な不具合により、作業の動作不能時間が発生し、理論値通りの作業が達成できていない現状がある。また不具合については、当事者により発生に至るまでの状況や、結果に対する取り扱いが異なるため、教訓や、対策の知見、解消法のノウハウなどが、他者には共有できていない。これは、作業者個人にとってノウハウの蓄積のない新規導入技術において、不具合発生の頻度を増加させることを示唆している。一方で、不具合のあいまいな表現は、原因を操作ミスや製品寿命などに簡単に解釈され、抜本的解決手法の開発が遅れる原因となっている。 本年度の調査対象として、昨年度に実施した千葉、栃木両県の農業法人での機械の稼働実態ならびに修理履歴の調査を継続し、また新たに茨城県下の担い手組合、作業受託組織を対象に加え調査を実施した。新たに調査対象に加えたS法人では、農業機械の点検整備の重要性を認識しており、冬期農閑期にはシーズン中の不具合発生箇所を中心に、部品交換、清掃、整備を実施している。主な交換部品は、ベアリング、クローラテンションローラーであり、オイル、オイルシールの交換は適宜行われていた。農業機械士1級を始めとする整備関係の免許取得に取り組んでいる。こうした背景から、収穫作業中の大きな不具はほとんど発生しなかった。大きな不具合としては、6条刈りコンバインにおいて、グレンタンク側のクローラの断裂が発生した。これはメーカーによる交換推奨時間が500hであるのに対し、1300hであったことからも部品の耐用限界であったと言える。概して左旋回の回数が多いことに加え、タンク側に相当し、左側と比して部品への負荷が大きく、劣化の進行が早かったと考えられる。タンク側に注視して点検することで、より早期に不具合の予兆が発見できる可能性があることが判明した。
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