2008 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンゲル薄膜を用いたラクトフェリン徐放化細胞培養担体の開発
Project/Area Number |
18780253
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
高山 喜晴 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所・畜産物機能研究チーム, 主任研究員 (00343989)
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Keywords | 再生医学 / ラクトフェリン / 骨芽細胞 / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
これまでの研究により、ウシラクトフェリンが、ヒト骨肉腫由来の株化細胞であるMG63細胞の骨芽細胞への分化を促進する機能を持つこと、I型コラーゲンゲル薄膜がラクトフェリンの徐放担体として機能し、薄膜から培養液中に放出されたラクトフェリンが、MG63細胞の骨芽細胞分化を促進する活性を維持していることが明らかとなった。本年度はラクトフェリンの徐放担体を最適化する目的で、(1)I型コラーゲンスポンジ(2)酸性ゼラチンハイドロゲル、(3)塩基性ゼラチンハイドロゲルの三者をラクトフェリンの徐放担体として用い、培養液中へのラクトフェリン放出量をサンドイッチELISAにより測定し、I型コラーゲンゲル薄膜と比較した。その結果、I型コラーゲンスポンジの場合、I型コラーゲンゲル薄膜と同様、12時間後に担体に含まれるラクトフェリンの約30%が、7日後に約35%が培養液中に放出された。酸性ゼラチンハイドロゲルの場合、12時間後に約55%が、7日後に約60%が放出された。塩基性ゼラチンハイドロゲルの場合、12時間後に約25%が、7日後に約30%が培養液中に放出された。酸性ゼラチンハイドロゲルからのラクトフェリンの累積放出量が最大であり、ラクトフェリンの徐放担体としてより、適していると考えられた。また重合前のコラーゲンとラクトフェリンを架橋剤で処理することにより、インキュベーション開始直後の急激なラクトフェリンの放出が抑制され、徐放性が改善された。
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Research Products
(4 results)