2006 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性を付与した天然インテリジェント高分子を用いた経口徐放性液剤の設計
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18790029
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
伊藤 邦彦 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (10244857)
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Keywords | 薬学 / 糖類 / 高分子合成 |
Research Abstract |
イオン応答性ゲル化能を有する天然高分子であるアルギン酸ナトリウムに温度応答性を付与すべく、アルギン酸を構成するマンヌロン酸及びガラクツロン酸のカルボキシル基へのN-イソプロピルアミド化を検討した。脱水縮合、エステル交換法等の合成方法、ならびにpHや温度等の反応条件を検討したところ、効率的なアミド化法を確立するには至らなかった。イソプロピルアミンの高い塩基性と嵩高さ、ならびにアルギン酸の立体障害等が要因と考えられ、現在も引き続きアミド化の条件、ならびに高分子修飾のデザイン変更を検討中である。 別途、イオン応答性と温度応答性の両方を兼ね備えた液剤として、温度応答性ゲル化能を有するタマリンド種子由来のキシログルカン多糖(GXG-TG)と、イオン応答性ゲル化能を有するペクチン(エステル化度31%)を混合した液剤を設計しした。1.5%GXG-TGに対して、種々の濃度のペクチンを混合し、ゲル形成性を検討した結果、0.75%ペクチンを混合して調製した液剤は、GXG-TG由来の37℃におけるゲル形成能を保持しつつ、pH1.2水溶液中に滴下したときにしっかりとしたゲルの形成が認められたことから、温度/イオン両応答性を有する液剤であることが明らかになった。またペクチンを添加することで、液剤の粘度、ならびに形成するゲルの強度はGXG-TG溶液に比べていずれも増大したことから、高分子の混合による相互作用も併せて示唆された。
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