2008 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素クラスターの特性に基づく機能性分子及び超分子の設計と新たな創薬手法の開拓
Project/Area Number |
18790089
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
太田 公規 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 助教 (90347906)
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Keywords | ホウ素クラスター / 疎水性相互作用 / 水素結合 / 分子認識 / 分子会合 / NMR / 液晶 / 合成化学 |
Research Abstract |
カルボランはC_2B_<10>H_<12>で表される疎水性の二十面体クラスターであり、水素化ホウ素化合物特有の電子欠損性の3中心2電子結合から成る為、炭素原子に結合した水素原子は比較的高い酸性度を有する。既に本研究者は、カルボランの高い疎水性に着目し核内受容体リガンドの疎水性構造単位として応用し、従来のリガンドの活性を凌駕する化合物を見出すことに成功している。そこで本研究は、カルボランのもう一つの特徴である酸性C-H水素に着目し、これをトリガーとする機能性分子の設計及び合成を目的とした研究に着手した。今年度は、一昨年及び昨年度に見出した機能性物質の構造展開を行い、化合物の化学的性質、物理的性質、機能性などの点で顕著な改善が見られた。また、カルボランC-H水素の特性を利用した新たな機能性分子の創製に成功した。 1、当研究者が見出したClアニオンレセプターであるトリカルボランの構造展開を行い、更に広いアニオン認識空間を有する化合物を合成した。そして、それがCiアニオンに対しリード化合物の100倍以上の強さで結合することを見出した。 2、カルボランのC-H水素がFアニオンで容易に脱プロトン化されることを利用して、蛍光化合物であるクマリンと結合させFアニオン選択的に蛍光を生じるフッ素センサーを見出した。 3、液晶性化合物と生体分子との関連を見出すベく様々な化合物を合成し、その中でbent core液晶の性質を示す化合物を見出しカルボラン環がこれら液晶の屈曲部位に適していることを見出した。
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Research Products
(22 results)