2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトMDR1遺伝子機能の制御を目指したmiRNA機能解析
Project/Area Number |
18790122
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣田 豪 九州大学, 大学院薬学研究院, 助手 (80423573)
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Keywords | MDR1 / miRNA / SNPS / pharmacogenetics / inter-individual variability |
Research Abstract |
MDR1遺伝子発現と相関が認められるmiRNAの同定 研究に先立ち、日本人由来胎盤100検体について、Real time PCR法やWestern Blotting法によりMDR1 mRNA、P-gp発現量を同定した。測定の結果、mRNA発現量には最大140倍、P-gp発現量については最大50倍もの個体差が認められた。これら検体を用いて、mature miRNA 160種類をReal-timePCR法にて網羅的に測定した。その結果、P-gp発現量と逆相関を示すmiRNAを1種類、正相関を示すmiRNAを2種類同定した。逆相関を示すmiRNAについては、MDR1 mRNAに対する直接的な抑制を行っていることが予想され、正相関を示すmiRNAについては、間接的な作用による脱抑制が予想される。同定したmiRNAについて、MDR1 3'UTRとのホモロジー解析を行ったところ、targetとなるmRNAの選択に重要となるmiRNA上の"seed"配列と高い相同性を示す領域を同定した。 miRNAとの相補性が重要であるMDR1遺伝子の3'UTRの遺伝子変異解析 miRNAによる遺伝子の機能抑制に重要な領域である3'UTR、611 bpについて、遺伝子多型を探索した。多型解析は、日本人末梢血48検体からゲノムDNAを抽出し、PCR-single-strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法による変異のスクリーニング後、Dye terminator法によるダイレクトシークエンスによる塩基配列の同定を行った。その結果、A4454GとG4904Aがそれぞれアリル頻度0.27,0.25で認められた。同定したSNPsは、上記seed配列との相同領域に位置することから、miRNAによる遺伝子機能抑制に変化を与え、MDR1遺伝子機能の個人差に生む要因となることが想定される。
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