2006 Fiscal Year Annual Research Report
領域・時期特異的ノックアウトマウスを用いた脳における血小板由来増殖因子の機能解析
Project/Area Number |
18790267
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
尾矢 剛志 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (00343179)
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Keywords | 血小板由来増殖因子 / PDGF / 脳 / 遺伝子組換え |
Research Abstract |
Cre/loxPシステムを用いて、前脳(カルモジュリンキナーゼIIα(CaMK)-Cre)あるいは神経組織(Nestin-Cre)特異的な血小板由来増殖因子β受容体(PDGFRβ)ノックアウト(KO)マウスを作出し、生後3-6ヶ月齢および生後9-12ヶ月齡の行動解析実験を行った。同腹仔、野生型、非Cre誘導マウスを対照群として解析した。 Nestin-Cre PDGFRβ KOマウスでは3ヶ月齢および9ヶ月齢いずれにおいても一般行動量が減少傾向にあり、時間経過では夜間の運動量が減少していた(n=2-14)。また、水迷路を用いた記憶・学習実験ではNestin-Cre PDGFRβ KOマウスのplatform到達時間、到達距離の延長があり、Probe Testでplatform 1/4区画滞在時間の有意な減少が確認された(n=3-14)。同記憶・学習関連の餌探し課題の一部の実験でNestin-Cre PDGFRβ KOマウスの学習能力低下が示唆された(n=2-8)。CaMK-Cre PDGFRβ KOマウスではこれらの一般行動量や記憶学習能力の異常は確認されていない(3ヶ月齢 n=20)。また、いずれのマウスも不安行動(明暗箱試験やopen field)、協調運動(Rotarod)、プレパルス抑制実験などに今の所差は認められない(n=0-20)。 神経組織特異的PDGFRβ KOマウスでは行動量の減少と記憶・学習行動の異常が示唆された。H19年度は追試を含めた実験動物数の拡大、他の記憶・学習関連実験の追加、情動行動を反映する脳内自己刺激(Intracranial self-stimulation : ICSS)行動実験、in vivoやin vitroの電気生理実験、分子生物学的解析などを踏まえて、PDGFRβの脳内機能を更に追求する。
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Research Products
(2 results)