2007 Fiscal Year Annual Research Report
領域・時期特異的ノックアウトマウスを用いた脳における血小板由来増殖因子の機能解析
Project/Area Number |
18790267
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
尾矢 剛志 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (00343179)
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Keywords | 血小板由来増殖因子 / PDGF / 悩 / 遺伝子組み換え |
Research Abstract |
Cre/loxPシステムを用いて、神経組織(Nestin-Cre)および海馬を含む前脳領域(カルモジュリンキナーゼIIα(CaMK)-Cre)特異的な、また、Tamoxifen投与による時期特異的な血小板由来増殖因子β受容体(PDGFRβ)ノックアウト(KO)マウスを作出し、生後3-6ヶ月齢および生後9-12ヶ月齢の行動解析、分子生物学的な解析を行った。同腹仔、野生型、非Cre誘導マウスを対照群として解析した。 Nestin-Cre誘導型PDGFRβ KOマウスでは3ヶ月齢および9ヶ月齢いずれにおいても一般行動量が減少傾向にあり、水迷路および新奇物体試験による認知行動の低下が確認された。CaMK-Cre誘導型PDGFRβ KOマウスではこれらの一般行動量や記憶学習能力の異常は認められなかった。また、いずれのマウスも不安行動(明暗箱試験やopen field)、協調運動(Rotarod)、プレパルス抑制実験などに有意差は認められなかった。 Nestin-Cre誘導型PDGFRβ KOマウスの海馬CA1領域でCaMKIIa、CaMKIIB、PSD95タンパクの発現低下があり、CA3領域にこれらのタンパク発現の異常は認められなかった。海馬CA1神経細胞に発現する事が知られるPDGFRβが細胞内外のカルシウム制御機構やシナプス構築の分子基盤に関与し、空間認知・記憶学習に重要な役割を担う可能性が考えられた。 Tamoxifen用いた時期特異的PDGFRβ KO成体マウスにおける脳内自己刺激(Intracranial self-stimulation:ICSS)行動実験を行ったが、明らかな行動異常は認められなかった。
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Research Products
(1 results)