2007 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性に対する和漢薬の効果とその作用機序の解明
Project/Area Number |
18790431
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤本 孝子 University of Toyama, 和漢医薬学総合研究所, 助教 (70377266)
|
Keywords | インスリン抵抗性 / 和漢薬 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
昨年度に続き、インスリン抵抗性改善作用を有する和漢薬のスクリーニングをする目的を推進した。C-reactive protein (CRP), plasminogen activator inhibitor type-1 (PAI-1), tumor necrosis factor-α (TNF-α), interleukin-6 (IL-6), monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1)などのアディポサイトカインは肥大した脂肪細胞で分泌が増加し、さらに血中濃度も増加し、他のインスリン感受性臓器のインスリン感受性に影響を及ぼすことが知られている。Zucker fattyラット(2型糖尿病モデル)に和漢薬(黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、大柴胡湯、当帰芍薬散、八味地黄丸、防已黄耆湯)をそれぞれ10週間投与後の血清と脂肪組織を用い、これら因子に及ぼす影響を検討した。その結果、血清中のCRB,MCP-1,PAI-1,IL-6,TNF-αレベルは非投与群に比べ、いずれの和漢薬投与群においても有意な変化は認められなかった。一方、脂肪組織中のMCP-1,IL-6,TNF-αをELISA法で測定した結果、MCP-1レベルは変化しなかったが、桂枝茯苓丸、大柴胡湯、八味地黄丸、防已黄耆湯投与群でTNF-αレベルの有意な低下、防已黄耆湯投与群でIL-6レベルの有意な低下が認められた。これらの結果より、血清レベルにまでは影響を与えなかったが、和漢薬が脂肪組織中のアディポサイトカイン分泌に好影響を与える可能性を示唆する知見が得られた。
|