2006 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球分化の調節機構の解明:未分化性を標的とした新たな抗腫瘍療法を目指して
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18790708
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中村 誠 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 医学研究員 (10422685)
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Keywords | 顆粒球分化 / Notchシグナル / MAML1 |
Research Abstract |
G-CSF投与による骨髄球系前駆細胞から顆粒球への分化誘導が、活性型Notch1受容体(受容体の細胞内領域、ICN1)の導入により遅延すること、ICN1の重要な共活性化因子であるMAML1の阻害分子、ドミナントネガティブMAML1を再導入すると顆粒球分化の遅延が解消されることを明らかにし、一部は平成17年日本血液学会総会で報告した。その後の検討の結果、これらの現象について以下に示す二つの分子メカニズムが想定されたため、平成18年日本血液学会総会で報告した。(1)ICN1、あるいはICN1-MAML1シグナルの代表的な下流分子であるHes1が転写因子GATA2の発現を誘導することをRT-PCR法で示し、ICN1とHes1が転写因子PU.1とC/EBPαの転写活性を用量依存性に抑制することをルシフェラーゼアッセイで示した。GATA2がPU.1に結合しその機能を抑制することが報告されていることから、ICN1-MAML1シグナルが、顆粒球分化に重要なPU.1とC/EBPαの転写活性をGATA2の発現の誘導を介して抑制する可能性が示唆された。(2)転写共活性化因子CBPおよびp300は、ICN1-MAML1複合体に結合する一方、PU.1やC/EBPαとも複合体を形成しその転写を活性化すると報告されている。我々は、p300がMAML1のC末端領域を介してICN1-MAML1複合体に結合することを免疫沈降法で示し、CBPおよびp300がPU.1やC/EBPαの転写活性を用量依存性に増強することをルシフェラーゼアッセイで示した。ICN1の導入による顆粒球分化の遅延は、ICN1-MAML1複合体へのCBPあるいはp300の取り込みが増加することで、PU.1またはC/EBPαを含む転写因子複合体への同因子の取り込みが競合的に減少することが原因である可能性が示唆された。
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