2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフラボノイドによる小児白血病細胞のアポトーシス誘導機構解明とその治療応用
Project/Area Number |
18790751
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
竹野内 寿美 国立成育医療センター(研究所), 発生・分化研究部, 共同研究員 (10392482)
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Keywords | バイオフラボノイド / アポトーシス / 小児白血病 / B前駆細胞 / 治療 / 刺激伝達 / Flavone / Lutheoline |
Research Abstract |
バイオフラボノイド(BFN)は柑橘類・ハーブ等に豊富に含まれる植物産生色素で白血病細胞に対してアポトーシス誘導作用を示すことが明らかになっていることから、その分子機構について検討した。これまでに報告している細胞に加えて、B前駆細胞性急性リンパ芽球性白血病NALM-6、未分化大細胞型リンパ腫KARRへS-299、急性巨核芽球性白血病CMK-11、Ph1陽性白血病KOPM-28、-30、-53、TCC-S等の様々な細胞株でもBFNによるアポトーシス誘導が確認された。KOPM-30を用いたImmunoblot解析の結果から、Flavoneの作用によりcaspase-8が活性化され、caspase-3→caspase-7→caspase-2のカスケードを介して、CADが活性化されてPARPの切断が起こることが示唆された。また、Flavone投与後、5-30分にかけて62kdの蛋白のチロシン残基のリン酸化が明らかとなった。一方、マイクロアレイを用いて、FlavoneおよびLutheolineの添加に伴う遺伝子発現変化を網羅的に解析した結果、両者で共通して発現上昇する遺伝子として、アポトーシスに直接関与するProgrammed cell death 6の他、Zinc finger蛋白-198、-207等の種々の転写因子、SUMO1等のユビキチン化関連分子、DEAD box RNA helicase 17等のRNA結合蛋白、p53に対する活性化因子Ribosomal protein S7などが明らかとなった。現在これらの因子について詳細なパスウェイ解析を行っており、BFNによるアポトーシス誘導の分子機構についてさらに検討中である。今後は、免疫不全マウスにヒト白血病細胞株を生着させたモデルを用いた検討により、白血病細胞に対するBFNのin vivoでの効果が明らかになることが期待される。
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