2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳萎縮の客観的診断尺度であるGMRの年齢、脳血管障害危険因子との相関の縦断的研究
Project/Area Number |
18790864
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀧 靖之 東北大学, 病院, 助手 (10375115)
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Keywords | MRI / 脳 / 灰白質 / gray matter ratio / 脳萎縮 / 画像診断 |
Research Abstract |
本研究の被験者候補として、8年前から3年間に渡って当研究分野で行った青葉脳画像リサーチプロジェクトにてMRIを撮像した1620人の中から、仙台市在住で前回脳MRI所見に異常が見られず、かつ画像解析が可能であった被験者候補931人(男性442人、女性489人)を選出した。次に被験者候補全員に対して本研究の趣旨と研究参加を依頼する文書の発送を行った。今年度で発送は全て終了した。研究に参加する旨の返事があった被験者に対して、仙台厚生病院の0.5T MRIを用いて、上記プロジェクト同様の3次元収集のT1強調像である3D-SPGRという撮像プロトコルを用いて頭部MRI撮像を行った。平成19年3月22日現在、307人の撮像を完了するとともに、年齢、身長、体重等や現病歴、認知機能のデータも併せて収集した。 得られた脳画像に対し、statistical parametric mapping 2(SPM2)というソフトウェアを用いて、windows上で作動する行列演算ソフトウェアであるMATLAB上で画像解析を行い、各被験者の頭蓋内体積、灰白質体積、白質体積、脳脊髄液腔体積を算出した。次に各分画の体積の総和を求めて頭蓋内体積とし、頭蓋内体積を灰白質体積で割ることで各個人のgray matter ratio(GMR)を得た。次に前回のプロジェクトと今回の得られたデータから、GMRの一年あたりの変化率(Annual Percent Change of GMR : APCGMR)を算出した。平成19年3月22日現在、307人のAPCGMRを算出した。 その結果、男性は女性よりもAPCGMRが有意に大きく(p<0.001)、また女性では50歳未満よりも50歳以降の方が、有意にAPCGMRが大きい(p=0.008)ことが明らかになった。
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