2006 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドイメージングによるアルツハイマー病診断・治療評価系の確立
Project/Area Number |
18790865
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 信行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40361076)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / イメージング / 老人斑 / PET |
Research Abstract |
アミロイドβ蛋白を主成分とする老人斑の蓄積はアルツハイマー病に特徴的な病理変化であり、新規治療薬の主たる標的とされている。もし脳内アミロイドβ蛋白蓄積量を定量評価することができれば、早期診断法および薬効評価系として活用することができる。そこで本課題では、脳内アミロイドβ蛋白蓄積量の計測法を確立することをめざして、研究代表者らが開発した[^<11>C]BF-227を用いて健常人10名、アルツハイマー病患者10名を対象としたPET検査を実施した。その結果、アルツハイマー病患者の大脳皮質における[^<11>C]BF-227の集積量は有意に上昇しており、健常高齢者と容易に鑑別可能であった。アルツハイマー病患者における[^<11>C]BF-227の高集積部位は、Neuritic plaqueの好発部位と一致していた。Logan graphical analysisを用いて[^<11>C]BF-227の分布容積を算出したところ、大脳皮質における分布容積の対小脳比は、健常者の平均値に比べて約20%〜30%上昇していた。さらに小脳ROI値を入力関数として代用しても、血漿データを用いた場合と同様の分布容積値が算出され、本検査が無採血でも実施可能であることが確認された。さらに^<18>F標識アミロイドβ蛋白計測用プローブの前臨床的評価についても並行して実施し、アミロイドβ蛋白との結合親和性、選択性、脳血液関門透過性、安全性に優れたプローブ候補化合物を見出すことに成功した。
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