2008 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの低酸素腫瘍移行性を利用した放射線増感剤・p53再活性化剤の開発
Project/Area Number |
18790892
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宇都 義浩 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20304553)
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Keywords | 低酸素細胞放射線増感剤 / グルコース / 腫瘍移植鶏卵 / 薬物動態 |
Research Abstract |
本申請研究は, 放射線及び温熱治療の効果増強を目指したマクロファージ結合型低酸素細胞放射線増感剤・p53再活性化剤の分子設計及び薬理活性の評価を目的とする. 平成20年度の研究実施計画は, 平成18-19年度に分子設計・合成しin vitro生物活性を評価した糖ハイブリッド低酸素細胞放射線増感剤の発育鶏卵を用いたin vivo生物活性評価である. 候補薬剤Tx-2244の腫瘍移植鶏卵を用いた薬物動態解析の結果より, 静脈注射30分後に最大の腫瘍内濃度を示し, その後時間とともに濃度が低下し, 代謝物(分解物)も確認された. 一方, 候補薬剤TX-2141は静脈注射3時間後まで同程度の腫瘍内濃度を維持し, 腫瘍への取り込み率もTX-2244より高い値を示した. また, TX-2244と異なり代謝物(分解物)は確認されなかった. この結果より, in vitro実験ではより高い放射線増感活性を示したTX-2244と比べ, TX-2141の方がin vivoでは高い活性を示す可能性が示唆された. さらに, 腫瘍移植鶏卵を用いたin vivo放射線増感活性評価系の構築については, 2-4Gyの放射線照射単独群に比べてEtanidazole併用群に相加的もしくは相乗的な腫瘍成長阻害効果が観察されたことから, 本評価系の代替動物実験としての有用性が示された. 今後, 本評価系を用いて候補薬剤の評価を行いin vivo活性を基盤とした構造活性相関を行うことにより, 臨床応用を目指した放射線増感剤の創製が達成できると思われる.
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Research Products
(6 results)