2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌のPIVKA-IIを標的としたIL-12遺伝子導入によるDNAワクチン療法
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18790965
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 洋市 九州大学, 大学病院, 助手 (00404070)
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Keywords | 肝臓外科学 / 遺伝子治療 / DNAワクチン療法 |
Research Abstract |
1.肝癌特異的免疫誘導に関する新規蛋白の同定 (1)Des-γ-carboxy prothrombin(PIVKA-II)の肝癌免疫抗原としての可能性 (1)樹状細胞(Dedritic cells : DC)抽出系の確立:マウス(C3H/HEN)骨髄細胞からのDC抽出系を確立した。Flowcytometryを用いて、MHCclassI・CDllb・CD80・CD40・CD86の発現を認め、CD4・CD8・Gr1の発現を認めない細胞集団(成熟したDC)の抽出に成功した。次にヒト末梢血からこの細胞集団が抽出可能か検討し、PIVKA-II蛋白を7-9merに切断(数百パターン)して抗原提示が速やかに行われる部位を検討する。 (2)血中浮遊PIVKA-II陽性細胞検出系の確立:数多くのヒト肝癌細胞株の中から、培養上澄みのELISAより、PIVKA-II陽性細胞としてHep3B、PIVKA-II陰性細胞としてHuh7を同定した。Hep3Bをpositive control、Huh7をnegative controlとしてPIVKA-II陽性細胞の検出系をFACSscanで確立した。今までの検討ではヒト末梢血単核球による検討では、PIVKA-II高値例でもPIVKA-II陽性細胞の抽出に成功していない。引き続きこの系で検討を続けて行くが、高感度PCR系などの確立を急ぐ必要があるかもしれない。 (2)Nodule in nodule型肝癌を用いた包括的遺伝子・蛋白解析による新規癌抗原の検討 (1)Nodule in nodule型肝癌における癌化・分化誘導規定因子の解析:Nodule in nodule型肝癌と肝癌移植例(全肝摘出)より、同一個体内で分化の異なる癌部(正常部・高分化部・中分化部・低分化部)のRNA抽出3例に成功した。現在、DNAマイクロアレイを用いた包括的遺伝子解析を開始したところであるが、一定の見解を得るにはもう少し時間が欲しい。 2.マウスモデルにおける上記肝癌特異抗原を用いた新規DNAワクチン治療の検討 マウスモデルにおける肝癌モデルおよび遺伝子導入実験系は既に確立しており、上記実験結果が整理され次第移行可能である。
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Research Products
(2 results)