2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシン受容体AT1aノックアウト細胞骨髄移植による新制癌療法の検討
Project/Area Number |
18791054
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
藤田 護 北里大学, 医学部, 助手 (20306624)
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Keywords | アンジオテンシン / 腫瘍 / 血管新生 / 骨髄移植 / 制癌療法 |
Research Abstract |
1.AT1a受容体ノックアウト(以下、AT1a KO)マウスの皮膚を1mm四方の細かくし、コラゲナーゼ含有細胞培養液で分離培養してAT1a KO線維芽細胞を採取し、これを2X106から2X1088cells/mlに調節した。Lewis lung carcinoma cell(以下、LLC)腫瘍を皮下増殖させたワイルドタイプ(以下、WT)マウスに、腫瘍移植後0日から14日まで腫瘍周囲にこのAT1a KO線維芽細胞を連日局所投与した。コントロールとしてWT場合にはマウスにLLC腫瘍を移植し整理食塩水を連日局所投与したモデルと比較した。AT1a KO線維芽細胞を局所投与した群と生理食塩水群では、腫瘍体積と重量に差はなかった。つまり、腫瘍増殖の抑制は起きなかったと考えられる。また、血管新生の指標として血管内皮細胞マーカーであるCD-31抗体による免疫染色標本で、血管密度および血管面積の測定を画像解析ソフトNIH imageを用いて行ったが、これらも2群間に血管新生の差はなかった。血管新生に最も関与すると考えられている血管内皮成長因子(以下、VEGF)の発現をRT-PCR法で検討したが、これら2群間に明らかな差はなかった。 2.同様にして分離培養したAT1a KO線維芽細胞とLLC腫瘍細胞を混合してマウスに移植した群と腫瘍のみをWTマウスに移植した群においても腫瘍体積と重量に差はなかった。つまり、腫瘍増殖の抑制は起きなかった。先と同様に血管密度および血管面積の測定を行ったが、血管新生の差も認められなかった。RT-PCR法によるVEGFの発現も差はなかった。 3.これらのことから、腫瘍細胞増殖において、AT1a KO線維芽細胞の局所投与では血管新生抑制および腫瘍増殖抑制効果は得られなかったと考えられた。
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