2006 Fiscal Year Annual Research Report
鼻粘膜における線溶因子の発現とその生理的・病的意義の解析
Project/Area Number |
18791230
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
瀬嶋 尊之 自治医科大学, 医学部, 助手 (20326838)
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Keywords | 線溶因子 / アレルギー性鼻炎 / ノックアウトマウス / サイトカイン / PAI-1 |
Research Abstract |
(1)ヒト鼻粘膜における線溶因子の発現とその局在 RT-PCRでは、u-PAとPAI-1についてはアレルギー群が非アレルギー群に比べて有意に発現が増加していた。免疫組織化学染色では、アレルギー性鼻炎の鼻粘膜において、u-PAが腺組織粘液細胞に、そしてPAI-1は腺組織漿液細胞に特異的に認められた。 (2)線溶因子のノックアウトマウスを用いた感作実験 WT-OVA群において、鼻症状・ヒスタミン刺激に対する過敏性・特異的IgG1およびIgE抗体・総IgE量は経時的に有意な増加を認めたが、PAI-1^<-/->-OVA群ではそれらの変化が抑制される傾向にあった。対照的に、特異的IgG2aはPAI-1^<-/->OVA群でのみ有意に増加を認めた。組織学的には、WT-OVA群の鼻粘膜では、杯細胞化生・好酸球浸潤・上皮直下のI型およびIII型コラーゲンの沈着が著明であったが、PAI-1^<-/->-OVA群ではこれらの変化が抑制されていた。NLFの解析では、WT-OVA群においては総PAI-1量・active PAI-1量・IL-4およびIL-5量とも、WT-control群に比べて有意に高値を示した。逆にIFN-γに関しては、PAI-1^<-/->-OVA群がWT-OVA群に比較して有意に高かった。脾臓リンパ球の培養実験では、WT-OVA群において、OVA刺激にたいする増殖性・IL-4,およびIL-5産生が、PAI-1^<-/->-OVA群のそれらと比べて有意に高かった。逆にIFN-γ産生は、PAI-1-^<-/->-OVA群のほうがWT-OVA群に比較して有意に高かった。 以上の成果を、第45回日本鼻科学会、The 25th International Symposium on Infection and Allergy of the Nose(Tampere)などの国内・海外の学会で発表した。
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Research Products
(1 results)