2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の放射線感受性におけるDNА修復とテロメラーゼの関係
Project/Area Number |
18791388
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
亀田 綾子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助手 (00328866)
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Keywords | 口腔癌 / 放射線感受性 / テロメラーゼ |
Research Abstract |
細胞はヒト舌扁平上皮癌細胞(SCC-9,SCC-25),ヒト咽頭扁平上皮癌細胞(FaDu),ヒト粘表皮癌細胞(A-253),ヒト悪性黒色腫細胞(G-361),ヒト表皮角化細胞(NHEK(F))を使用した。 各細胞におけるテロメラーゼ活性,hTERT mRNAの発現を調べた。放射線照射にはMitsubishi社製LINAC 2.8MV X線を使用した。非照射細胞,10Gy照応胞の細胞数を算定し,トリパンブルー染色法により細胞生存率を調べた。 テロメラーゼ活性の測定の結果,NHEK(F)では軽度のテロメラーゼ活性を示しだのに対し,いずれの悪性腫瘍細胞においても高いテロメラーゼ活性を認めた。FaDu, A-253,G-361では特に高活性を示した。hTERr mRNAはいずれの悪性腫瘍細胞でも検出され,テロメラーゼ活性の高いFaDu, A-253,G-361で高い発現を認めた。テロメラーゼ活性の高い細胞で活性型のhTERT mRNAの比率が大きかった。細胞の増殖をみると,非照射のFaDu, A-253では他の細胞より活発な増殖を示した。10Gy照射後FaDu, A-253,G-361,NEHK(F)では緩やかな増殖傾向を示した。細胞生存率の検討では,SCC-9,SCC-25では照射後の時間経過に伴い細胞生存率は減少し,特にSCC-25における生存率の減少がみられた。しかし,FaDu, A-253,G-361,NEHK(F)では照射抜も高い生存率を示した。照射後のテロメラーゼ活性の変化をみると,生存率の商い細胞では照射後テロメラーゼ活性の上昇がみられた。生存串の低かったSCC-25ではテロメラーゼ活性に大きな変化はみられなかった。 今回の検討の結果,悪性腫瘍細胞におけるテロメラーゼ発現は細胞の増殖や生存率に関与していることが示唆された。今後はDNA修復能力との関係について検討する。
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