2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791392
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安生 智郎 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10396989)
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Keywords | レーザー / 歯内療法 / Nd : YAG / Er : YAG / 半導体 / 顕微鏡 / 安全性 |
Research Abstract |
実験にはウシ単根抜去歯根を用いて、根尖孔を即時重合レジンで封鎖後、完全に根管内を滅菌した後、根管内にカナマイシン耐性を導入したEnterococcus coli菌液(2.0×10^8CFU/ml)を0.1ml注入し, 37℃で24時間培養する。その後、根管内を2種類のコンタクトチップ(P400FL, R300T)を用いて、Er : YAGレーザー(Erwin Adverl, Morita)装置にて照射を行う。チップ先端を根尖から1-3mmの間で往復させながら, パネル値30 mJ10 ppsにて30秒間照射を3回行う。注水・スプレー機構は用いず, 照射の休止間隔は30秒とする。P400FLの往復操作のみ30秒間3回行った非照射群を対照群とする。熱電対にて, レーザー照射時の温度上昇最大値を測定し、根管内から菌液を50μl採取後、20×10^5倍希釈菌液50μlをカナマイシン含有平板LB培地上に播種し, 37℃で24時間好気培養後のコロニー数から1mlあたりのCFU数を算出する。さらに、レーザー照射後の試料を長軸方向に割断し, 実体顕微鏡と走査型電子顕微鏡にて根管壁面の形態観察を行う。その結果、レーザー照射により、Pチップで66%、Rチップで44%の殺菌率が認められた。根表面の温度上昇は両群とも5℃以下に抑えられ、走査電子顕微鏡による観察では、炭化や亀裂は認められなかった。本研究からEr : YAGレーザーによる照射は、根管内殺菌対して有用であると示唆された。
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